人生と真面目に向かい合う心があって、その心が涙を流して決めた道はまちがっていないはずです。いいえ。まちがいなどない。正しいこともない。まちがいとか正しいとかそんなのは人生にはない。あるのはただ、その人ひとりの生き方なのです。
※本書 P198
肯定的なメッセージのある本は数え切れないほどあるが、逃避について否定的な名言をまとめた本は珍しい。読んでみて思ったが、「ただ逃げれば良い」ということではなく、ときには身を引くことの重要性を学んだ。本書では逃避は肯定している。精神の防御能力として考え、精神の破綻から救われるという。本当に重要なことだと思う。さぁ、要約していくヤー。
書籍情報
書籍名:逃避の名言集
著者名:山口 路子
出版社:だいわ文庫
出版日:2019/7/12
目次
「前向きに生きる」から逃げたい
「人づき合い」から逃げたい
「家庭」から逃げたい
「仕事」から逃げたい
「世間」から逃げたい
「日常」から逃げたい
「良識」から逃げたい
「孤独」から逃げたい
「貞操」から逃げたい
「夢を叶える」から逃げたい
「運命」から逃げたい
人生からは逃げたくない
それでも人生にイエスと言う
【著者】山口 路子 公式HP
要約・書評
人の意見を求めない
したいことをするためには、人に意見を求めては いけないのです
レイモン・ジャン『読書する女』
※本書 P40
人は本来、自由である。自分を押し殺さないで、「したいこと」「楽しいと感じること」を純粋にすることです。他人に知識を借りないことで楽しい人生を送れる。
一人になる時間を設ける
家族に愛を注ぐための「魂の静寂」を得るためには、一人になる時間が必要なのです
アン・モロウ・リンドバーグ『海からの贈物』
※本書 P60
家族がいても、たまには思い切って1人になってみること。1泊2日の温泉旅行に行くも良し、カフェに行くも良し。忙しい毎日では虫の目のように視野が狭くなる。1人になる時間があれば、自分を鳥の目のように視野を広げることができて、俯瞰して物事を見ることができる。そこから、家族の大切さに気付くこともできるから、決して無駄にならないはず。
仕事は明日にまわす
明日できる仕事、他人ができる仕事はしなくてもよいのです
ひろさちや『「狂い」のすすめ』
※本書 P68
肩の荷が下りる言葉である。その仕事は「本当に今日やらなければいけないのか?」。大半は今日やらなくてもトラブルにならないことも多い。帰れるときは帰ろう。そして家族との時間を大切にしよう。業務に自問自答をして、本当に今やるべきかどうかを考えよう。
精神の休養
何もしないことは、最高の創造につながっているのです
メイ・サートン『独り居の日記』
※本書 P70
何もしないことって、時間の無駄に思えるようで決してそんなことはない。【一人になる時間を設ける】で書いたとおり、一人の時間では新しい発想が生まれる。朝の10分で瞑想するのも良し。私のおすすめは、銭湯や温泉に浸かること!何よりスマホが使えないしテレビも観れないからデジタルデトックスになる。
自分なりの愛を
恋愛に良識をもちだす人は情熱を知らない人です
『エディット・ピアフ コンサート&ドキュメンタリー』
※本書 P112
恋愛本やネットでのモテテクなどは多く存在する。「男性はこうあるべき」「女性はこうあるべき」「最初のデートはここに行くべし」など、恋愛には数多くのマニュアルが存在する。確かに一部は当たっていると感じるが、時には自分のしたいような恋愛をすれば良い。素直な愛をぶつければ、相手だって答えてくれるかもしれないし、自分が起こした行動であれば、あれこれ考えずに、「自分の愛を一生懸命に表現できた!」と思えば、後悔しないはず。
まとめ(感想)
考えの選択肢が広がった。人生を生きるために、立ち向かっていくことも大切だが、ときには身を引いて後ろを向くことも選択肢としてありなのだと。
逃避は自分の人生を縦横無尽に走り回るために必要なことだと学んだ。
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