乱読のセレンディピティ (著:外山 滋比古)【要約・書評】

読書・勉強術

多読な私に響く本だった。本を読むことに関して、自分の概念が覆った。

簡潔に言うと、本を読みすぎることは良くないかも…。と思いました。

外山先生の本は‥

著者の外山滋比古さんは2020年に96歳で逝去しました。

それまで「思考の整理学」など数多くの書籍を出版されました。そんななかで数多くの著作郡から発想力についてのヒントを150に厳選して紹介した本書。心にぶっ刺さる言葉がすごく多いので、他の本もおすすめです。

さぁ、要約していくヤー。

書籍情報

著書名: 乱読のセレンディピティ

著者:外山 滋比古

出版社: 扶桑社

出版日:2016/9/29

著者紹介

1923年、愛知県生まれ。お茶の水女子大学名誉教授。東京文理科大学英文科卒業。雑誌『英語青年』編集、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授を経て、現在に至る。文学博士。英文学のみならず、思考、日本語論などさまざまな分野で創造的な仕事を続け、その存在は、「知の巨人」と称される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

※amazon 書籍紹介より

目次

本はやらない
悪書が良書を駆逐する?
読書百遍神話
読むべし、読まれるべからず
風のごとく…
乱読の意義
セレンディピティ
『修辞的残像』まで
読者の存在
エディターシップ
母国語発見
古典の誕生
乱談の活力
忘却の美学
散歩開眼
朝の思想

要約・書評

知識を詰めすぎることは良くないかも

POINT

本の知識は借り物

本によってたくさんの知識をつけることができる。著者の考えや経験から学ぶことができる。その道のプロが書く本ですので、攻略本のようなものが多い。だから、悩みを持ったら、本を読むことで解決ができる。そして、知識を得ることで今後に活かせるようになる。本は、「なんて素敵なんだ」!と思える。

しかし、本を読んで悩みを解決する行為は、人の知恵を借りて解決する行為でもある。そのため、自分の思考で解決する脳が育たなくなり、思考力が低下する。他人の知識を借りて、他人の生き方や価値観を借りて、自分ではない誰かに真似て生きていると感じてしまう。

実際、私もそんな経験は多い。多読思考なので、事あるごとに本で解決しようとする。何か壁にぶち当たったら、悩む前に本を購入して解決する。悩むことも無いから、思考力が育たない。

本は知恵を貸してくれることは嬉しいことだが、読みすぎることで、自分の思考力は育たなくなることは注意しようと思う。

でも、そのなかで、古典などの本は複雑に書かれることが多いから、自分で紐解かなければ理解できない。そうなると、古典を読んで、自分の頭で考えることで思考力は育つ。哲学は非常におすすめで、曖昧かつ複雑に書かれてるから、自分の思考で解決し納得できるとすごくスッキリする。それはそれで、自分の血となり肉となる重要なことかもしれない。

本は風のごとく読む

POINT

訳が分からなくても読み進める

人それぞれ、読み方(精読・速読・熟読・多読など)に違いがある。

外山先生の回答は、【風のごとく】本を読むこと。

内容が理解できなくても風のごとく読むことである。

『そんなことしたら、内容忘れてしまうよ!』と思うかもしれません。でも良いのだ。

曖昧のまま本を解釈してしまったほうが、訳が分からないから自分の頭で解決しようとする。そのため、自分の思考力が身につく。曖昧なものは、自分の考えで育ち、解決するようになるので自分で価値判断できる知的自由人になれる。

だから、本は分からないことがあってもスラスラ読むことが大切読み捨てて、あえて忘却してしまっても良い。

また、外山先生は良いものはいずれ、ふとした瞬間に思い出せるという。人は意外と集中していないときに、見聞きしていたことを自然と思い出すことがある。ノートを取らなくても思い出せることは多い。

最後に、本の名前にもあるようにセレンディピティについて解説する。

セレンディピティとは思いがけないことを発見する能力。

※余談ですが、BTSのジミンのソロ曲 セレンディピティが私は大好き!

風のごとく曖昧に読み捨てるからこそ、【得た知識】と【自分の思考】が融合され、思わぬ発想や発見ができるようになる。

一般に、 乱読は速読である。 それを粗雑な読みのように考えるのは偏 見である。 ゆっくり読んだのではとり逃すものを、風のように速く読むも のが、案外、得るところが大きいということもあろう。 乱読の効用であ る。本はあふれるように多いのに、読む時間が少ない。そういう状況に おいてこそ、 乱読の価値を見出さなくてはならない。本が読まれなくなった、本ばなれがすすんでいると言われる近年、 乱読のよさに気づくこと自体が、 セレンディピティであると言ってもよい。 積極的な乱読は、 従来の読書ではまれにしか見られなかったセレンディビティがかなり 多くおこるのではないか。 それが、この本の考えである。

※本書より

まとめ(感想)

本は風のごとく乱雑に読んで良い。

熟読と多読に意識を向けすぎると、他人の知恵を借りすぎる人生になり、自分の思考が育たない。知識はあくまで借り物である。

本は曖昧に読み捨てて、自分なりの考え方・価値観・生き方を見出したいと思えた。

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